2006年12月29日

なつめ

 最近では以前ほど見かけなくなってきましたが、てんびん棒から下げたカゴに季節の果物をいっぱい載せて街を売り歩く果物売りの姿は、上海でもとてもポピュラーな存在です。近郊の農民がバスや電車、地下鉄などを利用して街に売りに来るのです。夏のある日に地下鉄でそういうお爺さんと乗り合わせたことがありましたが、てんびん棒が乗っかるあたりの肩が変色していました。大変な重さなんですね。

 そのてんびん棒は割った竹で作られていて、竹の外側(皮の側)を下に、内側を上にして持つんですが、竹の繊維特性をうま〜く利用して重量を支えています。さすが竹の国ですな。何しろつい最近まで高層ビルの建築足場すら竹で作られていたくらいのお国ですから、竹の使い方にはタケています。(ちょっとサブい?)



 1枚目の写真は、そんな果物売りのカゴ一杯に入った「なつめ」です。飛騨の人には「祭りのごっつぉ」でお馴染みですね。漢字では「棗」、中国語では「ザオ」と発音します。日本の棗と違うところは、中国のはとても大型だということ。ピンポン球くらいのにお目にかかることもあります。なので呼び方も一般には「大棗・ダーザオ」といいます。

 ところでワタクシ今までに、飛騨以外で「棗」を料理して食べる地方の日本人に会ったことがありません。どなたか日本でそういう習慣がある場所をご存知でしたら教えて頂けませんか?。
 何故かというと、その料理方法が伝わってきた経路を知りたいからなのです。もちろんそのルーツは中国。中国ではン千年前から棗を料理して食べる一方、漢方薬としても使ってきました。現在でも生姜、甘草と並んで最もポピュラーな漢方生薬なのです。食材・漢方生薬の両方に使えるということは、大棗はまた「薬膳料理」の重要な食材でもあります。実際ワタクシの卒論テーマ「薬膳粥」のレシピにも「大棗」を使ったものがとても沢山あります。

 また、加工した棗はお菓子としてもよく食べられていて、「紅棗・ホンザオ」などと呼ばれています。上品な甘さで、お茶請けにgood。これは日本でも手に入ります。当店でも確か扱っていたような・・。



 2枚目の写真は(食べかけの写真でスイマセン)そういった薬膳料理の一つで、大棗の中に餅米を詰めて作った中華料理です。
 大棗の効能は中医学の用語で言うと「補脾和胃」「益気生津」「調営衛」。漢文の授業みたいでちょっとチンプンカンプンですね。日本語に翻訳すると、消化機能を助け「気」の巡りを良くし、潤いを保ち、免疫機能を高めるという意味です。

 大きさが違っても同じ「棗」。飛騨産にも同じような薬効はあるんじゃないでしょうかね。来年の秋には飛驒産「棗」を使った薬膳料理でも作ってもみましょうか。  

Posted by ネコ先生 at 13:12Comments(4)TrackBack(1)薬食同源

2006年12月26日

タンフールー

 寒い季節になると、上海の街中には「糖葫芦・タンフールー」を作って売る屋台が目立つようになります。最初の写真は、学校近くの路上で売っているオバサンの屋台。台の上に乗っている赤いのが「タンフールー」です。ちょっと写真が小さくて、良くわかりませんかね。



 2枚目の写真は、少しアップで撮りました。なんだか「みたらし団子」のようですが、でもこれ団子ではありません。どっちかって言うと「リンゴ飴」に近い食べ物です。え、リンゴ飴食べたこと無い?。う〜ん、最近の若い方はご存知ないのかな。



 リンゴ飴は昔、祭りの時などに出る屋台店(香具師・ヤシ なんて言いましたっけね)で売ってたんですが、小さなリンゴの表面を飴で固めたお菓子です。飴には今だったら絶対問題になるよーな、赤や緑のどぎつい着色して。
 最近はもう売られていないかもしれませんね。

 一方の「タンフールー」はリンゴではなく「山楂子・サンザシ」という木の実を串に刺して、その表面を飴で固めたもの。ただし色は着色してあるのでなく、サンザシの色そのものです。実はリンゴも山楂子も同じバラ科の植物なので、味にも似通ったところがあり、ひょっとしたらリンゴ飴がこれを基に作られたのかなーなんて事も考えたりするわけです。
 このお菓子、元来は北京などの東北地方の冬のお菓子で、それが徐々に広がり今では上海でも普通に見られるようになったとか。結構女の子に人気があります。そしてワタクシ、オジサンでありながら、北京にいた頃から結構この「タンフールー」が好きでありました。



 山楂子の味は「国光」のような酸っぱいリンゴをもう少しパサパサにした感じで、そこに飴の甘さが絡むと、何とも言えない懐かしい味がします。たぶんワタクシの脳内では、リンゴ飴の記憶が呼び戻されているのでしょう。

 ところで「山楂子」の木は中国原産ですが、おそらく日本にも庭木とか盆栽で持っている家が多いのではないでしょうか。それはこの「山楂子」の実が漢方薬として使われたため、はるか昔に大量に輸入されたからです。
 山楂子の効能は「消食活血」「降圧降脂」。つまり食物の消化を助け、血液中の脂肪を下げ循環を良くし、ついでに血圧も下げるという優れものです。特に肉類の消化に向いています。

 最近の中医学では脂肪肝や高脂血症などの生活習慣病にも盛んに使われていますが、残念なことに現在の日本漢方では山楂子を含む処方はほとんど使われなくなってしまいました。  

Posted by ネコ先生 at 19:20Comments(4)TrackBack(0)薬食同源

2006年12月24日

イブの上海

 今日はクリスマスイブ。そして明日はクリスマス。そして明後日は年末前の普通の日、というのがたぶん日本での日常でしょうか。25日過ぎたら、もうクリスマスはお終い。それ以降はクリスマスの「ク」の字もまかりならん、と言うような律儀さが日本にはありますよね。日本人が賞味期限にうるさいのは、イベントについても同じなんだという気がします。

 ところが中国では 25日過ぎてもクリスマスツリーがあるのは不思議でも何でもなく、恐らく場所によっては来年になっても飾ってあります。中国のクリスマスは、上海の一部は別にしても、本来の宗教的なクリスマスとは違って経済発展とともに商業主義的なイベントとして盛んになってきました。だからクリスマスは10月の「国慶節」と、中国人にとっての年間最大の祝い「春節(正月)」までの間を埋める重要なイベントなのです。

 日本ではクリスマスから正月までは1週間。だからクリスマスを引き伸ばさなくても次のイベントがすぐやってきますが、中国の正月は旧正月ですからやってくるのは2月半ば過ぎ。だから間に挟むイベントは長ければ長いほどいいわけですな。で、とにかく引き伸ばせ、と。ま、これはあくまでも商業的な分析。ホントのところは、中国人が賞味期限にうるさくないところから来ているのかも知れません。



 ところで今日の写真ですが、1枚目は上海を訪れる観光客は必ず行くという「新天地・シンティェンディ」のクリスマス風景。古い上海のアパートメントを利用した施設ですが、意外とツリーがマッチしますね。



 2枚目は「静安寺・チンアンスー」という観光スポット。ツリーと中国っぽいお寺のシルエットの比較が面白いかな?と思ったんですけど、どうでしょうね。





 3枚目は、クリスマス前に背中に羽根の生えた天使が、1年間のホコリが付いた天国のドア・ガラスを拭いている風景。「はい、こっち向いて!」「ニーハオー」。お〜エプロン着けてますなー、この天使。

 実はこれワタクシがよく利用するスターバックス・コーヒーでの一コマ。同じ羽根を男子従業員も付けてましたが、ちょっと写真撮る気にはならんかったな。
 ちなみにここの従業員は結構英語が堪能です。米国資本の企業ですから当然といえば当然ですが。でもメニューは中国語も併記してあります。で、ワタクシは練習のために一貫して中国語で注文しています。例えばこんな感じで。「拿鉄、大的一杯・ナーティエ、ダーダ、イーペイ」。
 ところがむこうは一貫して英語で確認してくるんですよ。「カフェラテ、グランデ・ワンカップ、OK?」。おめぇー中国人だろが。face09

 問題はこの後、ワタクシが英語で返事をしたか?それとも中国語で返事をしたのか?です。
 答え・・・実は最初の頃は、思わず日本語で返事をしちゃいましたよ。「え〜?、あ、あ、そう、そうです。スイマセン」。何で謝るんだろ。  

Posted by ネコ先生 at 19:45Comments(2)TrackBack(0)街角看看

2006年12月20日

上海クリスマス風景2

 上海というのはヨーロッパ文化が早くから入った街なので、多分昔からクリスマスという習慣には親しんでいたと思うのですが、それにしても北京などに比べると派手です。街のあちこちにツリーが飾られて、しかも街並みそのものが中国っぽくないので、漢字の看板さえなければちょっとヨーロッパに来たような錯覚に陥ってしまうのであります。
 特に南京東路は、ただでさえ派手な街なのにこの時期はクリスマス一色で「きんきらきん」。各商店も商魂たくましくイベントやらバーゲンをやっております。



 さて、日本でも中国でもクリスマスといえば、当然ケーキ屋さんの稼ぎ時。で、ケーキ屋さんを覗いてみると(店員がギロッと睨んで、ちょっと写真に撮ることができませんでしたが)何と言いましょうか、さすが中国!というような色をしたクリスマスケーキが、ショーケースに一杯並べられていました。
 黄色、緑、青、ピンクなどなど、およそ日本じゃ考えられないような色のケーキ。デコレーションもすごいですよ〜。でもそれをずっと見てると、意外と美味そうに見えてきたので、その事を人に話したら「金子さ〜ん、アンタひょっとしたらそーとー中国人化してるんじゃない?」と言われてしまいました。う〜ん、そーかなー。でも、ちょっと食べてみたいな。


 
 ところで、最初の写真はその「南京東路」と「浙江北路」の交差点ですが、この右側には上の写真でお馴染みの、有名な「コカコーラの特大ネオン」があります。

 ちょっと見にくいかも知れませんが、最初の写真の左のビルの2階にはサンタさんのディスプレイがあって、この日はその向こうのベランダでサンタの格好をしたサックス奏者がライブ演奏を披露しているとこでした。
  曲はスタンダードがメインですが、時々日本の曲も混じったりします。結構みんな下から見上げていて、曲が終わると拍手がわき起こります。交通整理のオジサンとパジャマ姿(上海じゃ街にパジャマ着て出てきます)のお婆ちゃんが手に手を取ってダンスを始めたりして、なかなかなごやかな雰囲気です。


 
 サックスの音を聞いていたら、何故か昔見た「上海バンスキング」という映画を思い出してしまいました。・・・あーあの頃は上海なんて、どこか遠くの別世界の場所だったのに、ワタクシは今そこに立って肉まん食ってるんだ(スイマセン、腹減ってたので近くで包子・パオズ買って食ってました)・・・と、いつになくシンミリと、人生の不思議さに思いを馳せたのであります。



 そして演奏しているサックスマンが、高山を代表するサックス奏者「せんだいも君」http://sendaimo.hida-ch.com/ に見えてきたのは、ひだっちブログを覗いて、郷愁が涌いてきたからかも知れません。

 ん〜ちょっと、ゴマすり過ぎかな?。face06  

Posted by ネコ先生 at 22:42Comments(2)TrackBack(0)街角看看

2006年12月18日

上海クリスマス風景1

 久しぶりに「豫園・ユーユェン」あたりをブラブラしてきました。ランチ&ビアで、どっちかっていうとビアの勝ちという状態だったので、ちょっと酔いを覚ましに。



 上海にはその歴史の特性上「いかにも中国」といった感じの建物は元々そんなに多くありません。しかしこの「豫園」の周りには、中国っぽい建物や古い上海の建物が残っています。

 それはこのあたりが1500年代に作られた上海城壁の内側で、アヘン戦争の後欧米や日本などが租界を作った時には、中国人居住区としてアンタッチャブルの場所だったからです。

 特に「豫園」から「老西門・ラオシーメン」にかけては、その当時の面影が今も残っているし、「復興東路」以南は最もディープな上海なので、一度歩いて見るのもオモムキがあってよろしかろう、と。ただし昼間に2人連れ以上でね。



 「豫園」の西側の「豫園商城」。今ではまるで観光客のための土産物街みたいになってますが、元々は上海市民の市場でした。だから今でも市民のための「商店」があります。
 
 そんな一つが「飾り物屋」さん。正式には何屋さんと言うのか知りませんが、赤いぼんぼりのような「提灯」とか、玄関に貼る「福」の字とか、赤いひもで組んだ「玄関飾り」とかを年中売ってます。
 
 そういう古典的な商品を売る店ですが、クリスマスが近づくと少し雰囲気が変わります。何故かというと、やはり商売のためには背に腹で、クリスマス用の「飾り物」が店頭に並ぶからです。

 はたして中国伝統装飾品VSキリシタン・バテレン用品のバトルは、いったいどのような戦いを引き起こすのでありましょうか。年内注目の対決は、クリスマスが近づいて商品ボリューム増加中のバテレン側やや有利か!。それとも気の早い春節準備組が巻き返すのか!。



 なんてバカなことを考えながら店先を覗くと、なんだか思ったほど緊張感がありません。店のオッサンにもリキミは無く、どっちかというと脱力ぎみに商売してるのであります。

 ま、よく考えたら中国伝統装飾品というのは、本来色的には「真っ赤っか」と「金ぴか」の世界。そこに多少「グリーン」が加わるとはいえ、同じように「赤だ金だ」のクリスマス陣営が入り込んでも、余り違和感はなかったというわけですな。意外なところで「中西結合」は行われていたのでありました。

 と、テキトーな事考えながら人民路まで出てきたら、サンタがバイクに乗って走っております。しかも複数。う〜ん、たぶん乗ってきたトナカイが、どこかの薬膳料理屋で腎虚用の鹿肉料理にされちまったにマチガイナイ!。



 と、酔っぱらいはひとりごちるのでありました。  

Posted by ネコ先生 at 22:29Comments(3)TrackBack(0)街角看看

2006年12月16日

今日は

 土曜日で病院実習はお休み。昨夜は卒論のために作っている「薬膳粥」のデータベース入力で相当遅くなったので、今朝は(というかもう昼だが)久しぶりにゆっくり起きた。

 少し小腹が空いていたので、近くの店で「エッグ・タルト」を買ってきて軽くランチ。このタルト中国語では「蛋撻・ダンター」といいますが、結構何処にでも売っていて美味しいです。「葡式」蛋撻とか「澳門式」蛋撻とか書かれていることが多いので多分発祥の地は「マカオ」なのでしょう。(上の漢字は両方ともマカオ式の意味です)



 タルトを皿に載せたら、特大マグカップ(ビールジョッキ兼用)に「マックスウェル」インスタント・コーヒーを適当に瓶からガサガサっと入れ、カップ6分目までお湯を入れる。そして冷蔵庫から出した冷たい牛乳をカップ一杯まで入れると、猫舌のワタクシにちょうど良い熱さのコーヒー牛乳のできあがり。カフェ・オレなんて洒落たもんじゃありません、あくまでコーヒー牛乳。

 

 そして、今日は贅沢にもデザート付き!。昨夜遅くに、寮の近くに出ている屋台の水果(スイグゥオ・果物)屋のババアと丁々発止の値段交渉をして(日本円で5円負けろ、いや2円でどうだ!なんてレベルなんですけどね)、手に入れた「桂圓・グイユェン」です。別名を「竜眼肉・ロンイァンロウ」とか「竜眼・ロンイァン」ともいって、立派な漢方生薬であります。これって日本でも生で売ってるんでしょうかね。誰か知ってたら教えて下さい。美味しいんですよ。

 薬として使う時はこれを丸ごと乾燥したものを使います。乾燥したのは薬用茶なんかにも入ってますから見たことある人も多いでしょう。薬効は「養心血・安神・補脾気」ですから、イライラや神経過敏、不眠や倦怠乏力に使います。

 生竜眼肉の中はですね、写真のように薄い皮を剥くと果汁がプチッと出て、半透明のプルプルの果肉が出てきます。


 

 中にうっすらと見える黒いのは、種。種をかじって歯を折らさないように気を付けながら(一応こういう注意を書いとかないと、折っちゃう奴がいるんですよー世の中には。誰とはいいませんが)「かぷっ」とかじると、適度に弾力ある果肉が果汁と一種にぷるんと口の中に入ってきます。上品な甘さです。
 


 この味どこかで食べたような・・・・そう言えば果肉も、何か、どっかで見た感じの果肉ですねー。わかりますか?似たヤツ。それはライチです。

 実はライチも竜眼肉も同じ「ムクロジ科」の植物ですからほぼ兄弟。ところが一方は「楊貴妃の好物だった」とかいわれて、美しさを追い求めるご婦人方の寵愛を受け、1個いくらの高級果実として社交界に君臨し、もう一方は「竜眼肉」なんて気持ち悪い名前を付けられ、病人のために日干しにされ、一山いくらの露店の世界。

 という訳で、ワタクシ心情的に何となく竜眼肉を応援したくなってしまうのであります。  

Posted by ネコ先生 at 15:45Comments(3)TrackBack(0)薬食同源

2006年12月14日

上海の代表料理っちゃー

 やっぱり「上海蟹」というわけで、今回も引き続き食い気の話題。
 いっこうに漢方が出てきませんが、忘れておるわけではございません。そのうち出てくると思われます。

 さて「上海蟹」とは言っても、この蟹上海で捕れるわけではありません。お隣の江蘇省は昆山市という所にある「陽澄湖」という湖で捕れる「シナモクズガニ」という淡水生の蟹なのであります。つまり、カワガ二。
 それに、どうやら上海蟹というのは外国人とか観光客向けの呼び名のようで、地元では上海蟹とは言わないで「大閘蟹・ダージャーシエ」と呼んでおります。
 もし貴方が上海で蟹を食べる時はちょっと「通」っぽく「ダージャーシエ」と言ってみると、「おっ!」という顔してもらえるかもしれません。ただ、そんだけですが。



 写真では判りづらいかもしれませんが、蟹の足のところにプラスチック製の白と緑のタックが付いてますね。これ、上海蟹食べる時の第1チェックです。

 陽澄湖というのは水郷の湖の一つですから、水路や川を通じて他の湖とも繋がっています。そして蟹は別に特定の住所が決まっていませんから自由に移動するわけですね。すると陽澄湖以外でも蟹が捕れちゃうわけですよ。
 しかも文明の発達は養殖なんて事を可能にしましたから、湖さえあれば上海蟹の産地になれる。なにしろ中国というのはニセ物が日常茶飯事ですから、蟹にも当然粗悪品が出回るようになったんですね。

 ところがやっぱりニセ物はニセ物、陽澄湖の蟹より味が落ちたり、有害物質が入っていたりで、客は怒る店は信用を無くすといったトラブルが続出。そこで陽澄湖の漁業組合は蟹1匹1匹に識別番号付きのタックをつけて流通管理をし、ブランドを守るようになったという次第なのです。
・・・で、写真の蟹が付けているタックがそれ、というわけ。

 ところが最近、そんなニセ物の中にも本家をしのぐような品質のモノが出てきました。それは「太湖」という湖の蟹です。陽澄湖産に比べて味も遜色なく、大きさもより大きく値段が安いという魅力的な蟹ですが、何しろブランド力がない。そこでまず海外で評価を受けて、ブランドを確立し名声を逆輸入しようという「ウタダヒカル作戦」を開始しました。上手くいけば、やがて日本でも太湖産の上海蟹が食べられるかもしれません。

 上海蟹食べる時の第2チェックは、メスかオスかです。メスは10月、オスは11月とか言われてますが、実際は10月下旬〜11月上旬は両方出ている場合が多いので、できるだけどちらも味わえるようにしましょう。メスは内子とミソの、オスは白子とミソの組合せが濃厚で、たっまりましぇん〜。写真はメスであります。



 蟹というとワタクシども日本人は、やっぱりズワイとかタラバの足やハサミの肉を掻き出しながら食べる図をイメージしますが、上海蟹は主にミソを味わう蟹ですからまず胴体をメインに食べます。もちろん足にも小量の肉がありますからこちらも充分に味わい尽くします。
 それには日本風にカニフォークを使って食べるのもいいですが、中国流はやっぱりかぶりつき。胴体は最初に縦半分に割って身を吸い出すように食べるのがコツ、足は前歯でガジガジガジと肉をシゴキ出して食べるのがコツです。

 にしても、あの声のうるさい中国人ですら上海蟹食べる時は静かになるから不思議であります。蟹を食べると静かになるのはひょっとしたら世界共通か?。

 さて上海蟹を食べた後には必ずある「お茶」が出てきますが、ここがさすが漢方の本場ですな、「生姜茶」であります。
 これは上海蟹には体を冷やす作用があるので、それを温性の生姜で補うためと、生姜の解毒作用で中毒を予防するためであります。お、ちょっと漢方臭くなってきたかな。face02



 体を冷やすという事なので、体が冷えて足腰がだる痛いといった漢方で言う「腎陽虚」の人は余り沢山食べないように。また、腎炎で蛋白質摂取を制限されている人も避けた方がいいでしょう。

 本来の上海蟹の旬は10月〜11月ですが、今は養殖モノが年中出回ってますからいつでも食べられます。何なら貴方が上海にお越しになった節には、ワタクシが「食べ方デモ」をご覧に入れましょうか?。デモ用に2〜3匹あれば、充分理解して頂けると思いますゾ。  

Posted by ネコ先生 at 22:33Comments(3)TrackBack(0)鯨飲馬食

2006年12月14日

刀削牛肉炒麺

 上海は朝からど〜んより曇り。今日は卒業論文のテーマと担当教授の登録をしなきゃいけないので、久しぶりに大学へ行きました。なんて書くと今まで学校サボってたみたいですが、そ、そ、そうではなく、最近は病院実習が多くて大学にはほとんど顔を出さなくても良かったのですよ。ですです。で、写真は久しぶりに見た大学の正門ですが、「熱烈慶祝上海中医薬大学建校50周年」と書かれた看板がありますね。そう、我が大学は今年創立50周年なんです!・・・といってもワタクシより若いんだけどね大学。



 ここまで読むと、長い歴史を誇る中国伝統医学(中医学)の大学がたかだか50年の歴史しかないの?と首を傾げる人もいるかと思うので、ちょっと説明しませう。

 元々中医学というのは徒弟制度で教育するのが基本だったので、せいぜい私塾とか医院に付属する小さな医薬学校で教育がなされておりました。ところが社会主義革命の後、毛沢東が「中国伝統医学と西洋医学の両方の良いところをとって、中国の医学を創り出そう」と「中西結合」というのを提言して中医学に大学制度を取り入れたのです。で、最初にできたのが北京・南京・上海・広州の4つの中医薬大学(当時は学院と呼んでました)。だから50年しか歴史はないけど中国では最も古い中医薬大学の一つってわけ。ただ、各大学には元となる医学校みたいなのが有ったわけで、そういう意味で一番古いのはたしか南京かな。

 まあ、そんなことはどうでも良いわけでして、学校に行った目的は登録ともう一つ「昼メシ」であります。大体学食なんてのは「はやい・やすい・まずい」と3拍子揃うってのが常識で、我が大学の学食もその例外ではありませぬ。ところが数あるメニューの中でホントまぐれに「お、うめぇー」ってのに当たったりするモンですから、結局メニュー片っ端から食べさせられるハメにはなるんですけどね。で、今回は昔当たって以来(なんか食あたりみたいな表現だな)病みつきになった「刀削牛肉炒麺」を、どど〜んとご紹介!。美味しいよーこれ。

 刀削麺ってのは麺生地の固まりを薄い刃物で削って麺にしたヤツで、麺職人が削った麺を飛ばして離れた鍋に入れるって言う曲芸みたいなワザを見せるんだが、日本じゃそれだけで結構な値段が取れるよね。でも、中国じゃフツーにいるよそういう職人。学食の調理場ですらやってるんだよ名人芸を。写真撮った時は刀削麺終わって手延べ麺作ってたけど。(写真ブレちゃったい)



 で「刀削牛肉炒麺」だが、茹でた麺を一旦水にさらして締めてから、トマトベースのソースで野菜・牛肉と一緒に炒める。夏だとヘチマなどの夏野菜も豊富に入ってて結構ヘルシーですよ。実はこの学食はイスラム教徒用の食堂で、メニューは新疆ウイグル料理。味もちょっと独特です。そして削った麺は表面に傷が付いているのでその独特の味のソースが良く絡んで、シコシコと美味しいんだーこれがぁ。もう皿から溢れんばかり(実は溢れてます。皿大きくしろよ)に盛ってあって、お値段何と5元。日本円にして70円くらいかな今。しかもこの食堂じゃ、高い方のメニューで、ちょっと贅沢してるじゃんワタクシ感もあります。


 何だかんだで、今日の食費は夕食も入れて21元。日本円で300円ほどでした。あー今日も、生きててよかったぁ。  

Posted by ネコ先生 at 01:27Comments(0)TrackBack(0)鯨飲馬食

2006年12月12日

雨の上海

 最初の記事なのでガイドブックのような美しい写真を、と思ったのですが、何しろ上海はこのところ天気が悪くて「雨の上海」になってしまいました。でも雨の写真は本にも滅多に載らないでしょうから、これはこれで珍しいということでお許しを。

 
 上の写真は雨の外難。和平飯店と中国銀行上海分行です。下の写真は浦東名物、東方明珠塔。展望台がすっかり隠れているので、こんな日には誰も昇らないだろうと思ってたんですが、ツアーのバスが来てました。入場券結構高いのに、ちょっと可哀想ですね。



 こういう雨の日には地下鉄やビルの入り口・階段などに黄色の看板が置いてあります。「すべるので気を付けて」と書いてあるのですが、最初見た時はドキッとしました。



「地滑りって、そんな恐ろしいとこに建っとるかよこのビルは!」 なんてね。  

Posted by ネコ先生 at 23:49Comments(3)TrackBack(0)街角看看

2006年12月08日

はじめまして

■オレンジ薬局  金子勝

日本漢方の方法論に一種のもどかしさを感じ、50才にして中国へ漢方留学し、現在、上海中医薬大学にて卒業論文の制作に奮闘しています。

日本での漢方と本場中国の漢方の違いや、季節ごとの漢方の効果的な活用方法などを紹介していきたいと思います。

おたのしみに。  

Posted by ネコ先生 at 09:54Comments(0)TrackBack(0)自己紹介